寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「キミは自分が誰のものだか分かってないようだね。俺以外にこんな姿を見せるなんて」
静かに放たれた言葉に、雪乃はドキッと胸が鳴り、甘く溶けていく。怒られているはずなのにむき出しにされている独占欲がたまらなくなり、顔が熱くなった。
「私は晴久さんのものです……」
「本当かな」
「はい……」
雪乃が腕を伸ばしてすがりつき、晴久はそれに応えてキスを落とす。
「んん……」
カクテルの味がする彼女の唇を深くまで探っていく。無音の室内には、キスをし合う音だけが響いた。
しかし、これでは甘やかしているだけ。そうではなくてなにかおしおきをしなければと考え、晴久は一度唇を離した。
「……晴久さん?」
うっとりとした表情の雪乃をなにもせず見下ろすだけで、しばらく黙る。すると今度は雪乃が不安げに覗きこんできた。
「晴久さん……キスは……?」
切なくねだる彼女に、晴久はイケナイ気持ちが沸き上がってきた。
「悪い子にはキスできないな」
意地悪な言葉に彼女は眉を下げ、プルプルと首を振る。
「やだ……したいです……晴久さん、お願い……」
ゴクリと晴久の喉が鳴った。