寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
最後のデザートの盛り合わせをスプーンで掬いながら、雪乃はキラキラとした瞳を瞬かせた。
「そうだ晴久さん。私、皆子さんっていう仲良くしてくださっている先輩がいるんですけど」
「うん?」
すでに小山を通じて知っている人物だが、雪乃から改めて話が出るのは初めてである。
「さっきメッセージが来てて。今日、彼氏さんにプロポーズされたんですって」
晴久は食後のコーヒーを飲みながら、だから最近小山の様子がおかしかったのかと納得した。ついにやったな、と後輩を思い笑みを落とす。
また、無邪気に〝プロポーズ〟と言葉を使う雪乃にドキッと胸が鳴った。
「どんなだったって?」
「いつも居酒屋に行くのに、今日は高級なホテルのディナーに誘われておかしいなーと思っていたんですって。指輪を渡されてプロポーズされたみたいで」
(やったな、小山)
「でも……ふふふ、彼氏さんが指輪をはめようとしてくれたら、手が震えて、紅茶の中に落としちゃったみたいです」
「ハハハッ」
晴久は数秒本気で笑い、雪乃も彼の笑顔がうれしくてクスクスと声をもらす。ふたりでしばらく笑った後、雪乃はテーブルに目を戻した。