寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
家から離れて川沿いの道を並んで歩きだした。
冬の肌寒い空気が顔を撫でている。
あったまるように、雪乃は晴久の腕にくっついた。
「晴久さん。川の向こうに神社があるのでそこまで少しお散歩しませんか」
「あ、ああ。そうだね」
先ほど両親の前で爆弾発言をした呑気な雪乃にお説教をしたい気持ちになったが、晴久はそれを飲み込んだ。
(責めたところで、雪乃は嘘はついていない。事情はどうあれ出会ってすぐに家に泊めた上、部下だと分かってからも一緒に居続けたのは事実なんだ。それを取り繕うのは言い訳しているのと変わらない)
彼女の両親にこそ、嘘のない真摯な姿勢でいたい。
雪乃を懐柔したような卑怯な部分の謝罪も含めて、これからの付き合いを認めてもらわなければ。
そう心に誓った晴久は、彼らからはどんな咎めも受ける覚悟を決めていた。