寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「晴久さん……?」
彼が起き上がった衝撃で尻もちをついた雪乃だが、すぐに立て直し、座り込んでいる彼に再び迫る。
「どうしてダメなんですか?」
「ご両親の家でキミを抱けないよ」
「……どうして?」
「どうしてもだ。抱けない。抱かないからな……」
晴久の決意が揺らいでいるとピンときた雪乃。
抱けないと断られるのは寂しいものの、その頑固なこだわりがやはり好きだと感じる。
意地悪がしたくなり、彼の膝に乗って、首もとにキスをした。
「抱いてほしいな……」
潤んだ瞳で見つめると、晴久は余計にハァハァと息を荒立てる。
「ダ、ダメだと言ってるだろ……」
「そんな。つらそうな晴久さんを放っておけません。こんなになっちゃってるのに、我慢なんてできるんですか?」
ベルトに伸びてきた雪乃の手を晴久は捕らえた。
「……雪乃。本気だから。俺は今日は絶対、キミを抱かない。キミが本当に大切だから、ご両親を悲しませるようなことは絶対にできない」
(え……?)
ほんの遊び心で戯れていただけなのに、晴久の方は眉を切なく寄せて自身の欲望と戦っていた。
それがすべてキミのためだと口にされると、雪乃の胸の中にはじんわりと感動が広がっていく。