寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝。
酒に強い晴久は目覚めとともに回復しており、八時に起床して身支度を終えた。
一段上のベットでまだ無防備に眠っている彼女の顔を確認し、なにもせずに一晩耐え抜いたのだと安堵する。
たまらず前髪を撫でると、彼女の瞳がうっすらと開いた。
「ん…おはようございます。晴久さん、早いですね」
「ああ。おはよう。眠れた?」
「はい」
一緒に眠ったのに、お互い、体の奥の物足りなさがぽっかりと残っている。
(私ったら、晴久さんのせいで、だんだん欲求不満みたいな女になってる……)
複雑な気分になっている雪乃の隣で、晴久は爽快な気分だった。
彼女の両親を裏切らずに済んだのだ。
挨拶というミッションを最後まで誠実に終え、父親の理解は百パーセントではないものの、達成感に満ちていた。