寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
ふたりで一階に下り、リビングに顔を出す。すでに母が花柄のエプロンをしてキッチンに立っていた。
「おはようございます」
「あら、おはようふたりとも」
ふたりがやってきたのを確認した母はトーストを二枚、トースターに入れた。
晴久はキョロキョロとリビングを見渡す。それに気づいた母は苦笑いをした。
「ごめんね。お父さん二日酔いで起きられないから、お昼まで休むんですって」
雪乃は「もう」と頬をふくらませる。あの様子ではしかたない、と晴久はクスリと笑ってうなずいた。
「晴久くんもけっこうお酒飲んだんだから、お昼まで休んでから帰ったら。事故でも起こしたら大変だし」
「はい。そうさせてもらいます」
「雪乃。晴久くんにコーヒー入れて」
「はあい」
晴久をダイニングテーブルに座らせ、雪乃はコーヒーメーカーのスイッチを押す。
いい香りがしてきて、サーバーにコーヒーが落ちてきた。