寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
最後に手を振って見送られながら抜けると、出口で晴久が待っていた。
「雪乃」
「晴久さん! お待たせしました」
「帰ろう。おいで」
今ちょうど営業部の面々と解散したばかりの晴久は、雪乃と話してみたいとうるさく騒いでいた彼らに会わせまいとすぐに彼女の肩を抱き、逃げるように連れ去る。
騒がしい正面から外灯だけの静かな駐車場に向かい、キーのボタンで車を反応させた。
後部座席に引き出物の大きな袋を置いて、ふたりは広々とした前の席へ乗り込む。
お酒を飲まなかった晴久は、全員ほろ酔いだったテーブルのメンバーの相手にいささか疲れた様子でため息をついた。
「晴久さん大丈夫ですか」
「平気だよ。意外と部長が飲んじゃってね。嗜めるのが大変だった。まったく、部下の結婚式で酔うなって話だよ」
「ふふふ、そうですね」