寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
晴久の声に応えて顔を真横にかたむけると、体ごとこちらを向いている彼を目の当たりにし、雪乃はまたみるみる赤くなった。
「男が苦手なのに、俺のことは大丈夫だと言っていたのはどうしてですか」
晴久は核心を突いた。彼女は男性が苦手だと訴えながら、なぜほとんど初対面である自分には警戒心がないのか。
雪乃もまた、核心を突かれてしまったと動揺し、硬直する。
しかし正直な彼女は誤魔化す選択はできず、頬に手を当てながらベッドの中に潜り、答えをつぶやいた。
「……いつも電車で高杉さんのことを見ていたんです。素敵だなって思って」
(えっ)
いきなりの告白にグッと胸を打たれた晴久だが、同時に頭にはたくさんのハテナマークが浮かんできた。素顔を明かしていないのに、好意を持たれる覚えがない。