寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
本気で不思議に思い、彼女にさらに迫って尋ねた。
「それはどのへんが……? 俺は電車では顔を隠していますし、基本的に誰とも関わらず無愛想にしていたと思うのですが」
「そんなことないです。いつも席を譲っているのを見て、優しい方なんだなって」
これには晴久も、少年のように頬を赤らめた。
「……見られていたとは……」
「ふふふ、気付いちゃいました。だから、素敵だなって思っていたんです」
これは恋愛としての〝素敵〟とは違うかもしれない、と思いとどまった晴久だが、雪乃に褒められ素直にうれしくなった。
どこへ行っても顔ばかり褒められてきた今までの環境と比較して、素顔を隠しても自分を見てくれていた彼女が特別に思えてくる。