寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
雪乃とともにベッドに入り、サイドランプを点けた。
今夜は腕枕ができる距離まで近づき、晴久は彼女の手を握る。
「……高杉さん?」
「今日、怖い思いをしましたね。大丈夫でしたか」
小山から聞いた、雪乃が襲われたという経験について、彼女の口からは聞いていない。晴久はあえて触れることはしなかった。
雪乃が口に出すことすら嫌なほどに忘れたい出来事なのだろうと思ったからだ。
その代わり、晴久は彼女がまたひとりきりで耐えることのないように、今夜は傷を癒すための優しい言葉をかけてあげたかった。
「高杉さんが来てくれたから、大丈夫です」
「……それは、よかった」
溶けるような笑顔を向けてくる彼女への欲望をぐっと堪える。