寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
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終業後、晴久は雪乃と午後六時半にカフェで落ち合った。
途中、夕食はどうするかという話になり、お礼に用意したいという雪乃の提案で自宅近くのスーパーへ寄ることに。
「高杉さん、食べられないものはありますか」
「いや、なんでも食べるよ」
アレコレと独り言をつぶやきながら商品を吟味して歩く雪乃の後頭部を、ぼんやりと見つめる。
サラサラとした髪が揺れながら、小動物のようにかわいらしくあっちへこっちへと動く。
(やっぱり好きだ。今夜大丈夫か、俺)
小山に言われなくとも、もはや彼女と付き合わない理由が見当たらなかった。
おそらくいつか、そう遠くない日に彼女に告白するだろう。漠然とそんな予感がしていた。
「高杉さん? どうかしました?」
「えっ、あ、いや。なんでもない」
「ふふふ」
(……う。かわいい)
一緒に過ごしていても不満はないし、むしろ居心地がよい。好きだと打ち明けるなら、今夜か、とスーパーの雑音の中で考えこんでいた。