白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
・・・・ねぇ稜ちゃん。

気を遣ってくれるのはすごく嬉しいけど、わたしはもう水族館ではぐれたときのわたしじゃないよ?


一応“分かった”とは言ったものの、子ども扱いされたみたいで少し切なくなった。

“女の子”として見てくれてないのかな、って。


すると・・・・ドンッ!


「あっ!すみません!」


しょんぼりして周りをよく見ていなかったから、前から来た人とすれ違いざまに肩がぶつかってしまった。

うぅ・・・・けっこう痛い。



その人に謝りながら、ぶつかった肩を軽くさするわたし。

すると、またまたそこに・・・・。


「手、つないどくか」


今度は稜ちゃんの声。


「・・・・えっ?」


一瞬、わたしの耳がおかしくなったのかと思った。・・・・思わず聞き返す始末だし。


「またぶつかったら痛いだろ?」


キュン死にだよ、これ・・・・。

ここにテープレコーダーあればいいのにって、本気で悔しく思う。

そんな妄想が暴走しだすわたしが返事をできるわけもなく・・・・。
 

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