白球と最後の夏~クローバーの約束~
「よし、ここら辺で探すか、親父のプレゼント」
「そうだね」
手をつないでからどれくらい経ったんだろう・・・・。
わたしたちは、ゆったりとした時間が流れる紳士服売場に着いた。
ここは、若い人向けのショップと違って落ち着いた雰囲気。
制服姿で立ち寄るには、少し腰も引けるほどだった。
「俺はネクタイなんかがいいと思うんだけど、マネージャーは?」
手を離しながら稜ちゃんが聞く。
「うん、いいと思うよ? いろいろ見て回ろっか」
名残惜しけど、ここは我慢。
稜ちゃんのお父さんのネクタイ、ちゃんと選ばないとね。
それからわたしたちは、スーツや小物なんかを横目にネクタイコーナーへ向かった。
「いっぱいあるな・・・・」
稜ちゃんが“こんなにデザインがあったなんて”と驚きながら、並べられたネクタイを1つ取った。
「うん、迷うね」
わたしも“選ばないと”なんて意気込んでいたけど、思っていたより種類が多くて・・・・。
さすが駅ビルだなって感心した。