白球と最後の夏~クローバーの約束~
ドアを開ける音に気づいた後輩たちが、パッと振り向いてわたしたちの名前を呼んだ。
「どんだけ待たせんだよ〜!」
「待ちくたびれたっつーの!」
「なんでお前ら3人はいっつも仲良しなわけ!?」
そして、3年間一緒に汗を流してきた仲間たちの、そんな声が次々に上がった。
「悪かったってば。それに、俺は“元”キャプテンだし。新キャプテンは大森だろ?」
稜ちゃんは、みんなの声を制するように言って、大森君に“な?”と視線を投げかけた。
───そう。
わたしたち3年生が甲子園を終えて引退したあと、新キャプテンになったのは大森君だった。
大森君も稜ちゃんと同じで、満場一致でキャプテンに。
頼れる後輩・大森君、わたしたちの青春を引き継いで、また今年も甲子園へ。
たくさんの人たちを笑顔にしてあげてね・・・・。
「俺、キャプテンみたいにみんなを引っぱれる自信ないっすよ」
その大森君は、もともとの性格のせいか、ちょっと気弱な発言。
普段はチワワみたいにかわいらしい性格なんだよね。