白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
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季節は巡り巡って、桜がつぼみをつける季節になった。

稜ちゃんの自転車の後ろで揺られながら空を見上げれば、柔らかい色の青空と白い雲・・・・。

3月の風はまだ少し冷たいけど、サラサラと頬を撫でていく感触が気持ちいい。


部室で円陣を組んで別れたあと、稜ちゃんとわたしは、いつものように自転車に2人乗りをして帰っていた。

家に着く前に、少しの寄り道。

寄る場所は決まっている。

いつもの“あの場所”・・・・。


キキッ!


「着いたぞ、百合」

「うん、ありがとう」


小さなグラウンドの脇に自転車を停めて、手をつないでゆっくりと奥の草むらへ。

いつものデート・・・・そして、これが高校最後のデート。

2人並んで地面に座り、春風に吹かれながら思い出を語り合う。


「高校、楽しかったな・・・・」

「うん」

「甲子園、行けてよかった」

「そうだね。わたしも」

「最高の夏だったよな」

「うん、最高だった・・・・」
 

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