白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
語り尽くせないほど思い出があるのに、なぜか今日は2人ともぽつりぽつり・・・・。

稜ちゃんもわたしも、うまく言葉が続かなかった。

それはきっと・・・・。


「4月からは百合を自転車に乗っけてやれないな。ごめんな・・・・」

「・・・・ううん」


遠く離れた大学で野球を続ける稜ちゃんと、地元の大学でスポーツ栄養士の勉強をするわたし。

・・・・遠距離になるんだ。


今まではすぐ向かいの家に住んでいた稜ちゃんが、4月からはいなくなるから。

きっと、このせい。


「ちょくちょく帰ってくるから」

「うん・・・・」

「俺の自転車の後ろは、百合だけのものだから」

「・・・・うん」

「車の免許取ったら、一番に百合を助手席に乗せるから」

「うん・・・・ありがとう」


でも、寂しいな。

苦しいな。辛いな。

稜ちゃんの言葉は信じてる。

だけど、どうしても涙が出る・・・・前から心の準備はしていたのに。


「大学でも百合が作ったお守りで頑張るから」

「稜ちゃん・・・・」
 

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