白球と最後の夏~クローバーの約束~
その言葉に、わたしは思わず稜ちゃんの顔を見上げた。
「俺たちなら大丈夫。四つ葉の神様がずっと見守っててくれる。心配すんな」
そう言って、稜ちゃんは優しい微笑みをたたえてわたしの流れる涙をそっと拭ってくれた。
「うん・・・・そうだよね」
「当たり前だろ? 四つ葉の神様ナメんなよ?」
「ふふっ、うん」
・・・・そうだよね、稜ちゃんの言う通りだよね。
わたしたちの関係は距離になんて負けない。遠く離れた場所でも、いつも心はつながっている。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。
「大学では今度こそ日本一になってみせるから。そのときは百合も一緒な?」
「うん、信じてるよ───・・」
───あの夏。
わたしたちは、3回戦で涙を飲む結果に終わった。
最後の最後に青雲の校歌を甲子園に流すことはできなかった。
だけど、稜ちゃんもみんなもわたしも、精一杯に戦った。
だから、悔いなんて一つもない。
あのとき持って帰った甲子園の土は、今も誇らしく部屋にある。