白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
「・・・・うん。すごいやぁ」

「だろ? 心配いらねぇって。稜は負けない」

「そうだよねぇ!今年こそ念願の甲子園だもん!」

「いや、そういうことじゃ・・・・」

「やっぱりいいチームだよねぇ、うちの高校って!必死で勉強して入った甲斐があるよ〜!」

「・・・・」


1つストライクが入ったことで、もうハイテンションのわたし。

そんなわたしの耳には、そのあとの岡田君の声は聞こえなかった。

何かブツブツ言いながら首の後ろを掻いていたのが横目に入ったけど、そんなのもお構いなしに、わたしは応援に精を出した。


今日の大森君の立ち上がりは絶好調で、この時点で三振3つ。

すごい好発進!!

あっという間に表が終わって、散らばっていたメンバーたちがダッシュでベンチに戻ってくる。


次はこっち、青雲の攻撃。

1番バッターは稜ちゃん!

昔からの、稜ちゃんの定位置だ。

素振りをしながらバッターボックスに向かう稜ちゃんの背中・・・・その背中に、一生懸命念じたよ。

“打てますように”

って・・・・。
 

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