白球と最後の夏~クローバーの約束~
稜ちゃん、昨日の夜は遅くまでイメトレしてたんだろうから。
わたしのデータブックじゃ力になるかは分からないけど。
でも、毎日の努力が実りますようにって願わずにはいられない。
それくらいしか、マネージャーとしてできる仕事はないから・・・・。
「なんか声かければいいじゃん」
わたしにだけ聞こえるように、岡田君がボソッと言う。
「バ・・・・バカっ!」
岡田君・・・・だからわたし、この前も言ったじゃん。
“見てるだけでいい”って。
耳まで真っ赤になるわたしに、岡田くんは面白半分に「ほぉ〜」とだけ言った。
稜ちゃんに片想いしてることが岡田君にばれちゃったのは、彼がマネージャーに転向してまもなくの頃だった。
さっき『見る目は確かなんだ』って言っていたのは、野球に限ったことじゃないのがクセモノで。
こういうラブな気持ちにも見る目は確からしいんだよなぁ、岡田君って・・・・。
こんなときほど、見る目が確かじゃなくなってほしい、って思っちゃう。
くっ・・・・岡田君めっ!