白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
稜ちゃん、昨日の夜は遅くまでイメトレしてたんだろうから。

わたしのデータブックじゃ力になるかは分からないけど。

でも、毎日の努力が実りますようにって願わずにはいられない。

それくらいしか、マネージャーとしてできる仕事はないから・・・・。


「なんか声かければいいじゃん」


わたしにだけ聞こえるように、岡田君がボソッと言う。


「バ・・・・バカっ!」


岡田君・・・・だからわたし、この前も言ったじゃん。

“見てるだけでいい”って。

耳まで真っ赤になるわたしに、岡田くんは面白半分に「ほぉ〜」とだけ言った。





稜ちゃんに片想いしてることが岡田君にばれちゃったのは、彼がマネージャーに転向してまもなくの頃だった。

さっき『見る目は確かなんだ』って言っていたのは、野球に限ったことじゃないのがクセモノで。

こういうラブな気持ちにも見る目は確からしいんだよなぁ、岡田君って・・・・。

こんなときほど、見る目が確かじゃなくなってほしい、って思っちゃう。


くっ・・・・岡田君めっ!
 

< 87 / 474 >

この作品をシェア

pagetop