白球と最後の夏~クローバーの約束~
 
ちょっとムッとしながら稜ちゃんに目を移すと、丁寧に主審の人に頭を下げているところだった。

こういう礼儀正しい稜ちゃんも、またステキ・・・・。


好き。

好き。

全部好き。


ぽ〜っとしながら稜ちゃんを見つめるわたし。でも・・・・。


「うっとりすんな!気持ち悪ぃ」


ううっ。

なに? この、心にグッサリ刺さる極太の槍は・・・・。


本当に、気持ち悪そうな顔と態度で言う岡田君。

岡田君の隣にいちゃ、自分の好きなようにさえ稜ちゃんを見つめられない・・・・。

でもでもっ!

しっかり試合を見なくちゃ!

そうそう!目をハートにしてる場合じゃないってば、わたし!


「向こうの守備は鉄壁だからな。様子見なんてしてる場合じゃねぇな、こりゃ」

「そうだね・・・・」


花北高校の野球は、攻撃型か守備型かって聞かれたら、素人さんでも守備型だって声をそろえて言うくらい本当に守りが強い。

逆に青雲は攻撃型だから、主導権さえ握れば青雲ペースで試合を進められそうなんだけど・・・・。
 

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