病んでる僕と最強の勇者たち
魔鏡の剣士、エドモンド・コラール
「ブライアン!

女吸血鬼を振り払え!

油断したら殺られるぞ!」



ブライアンは美女系の敵には勝てないというジンクスをマギーは前から知っていた。



ブライアンは美女に対して優し過ぎる。



そしてその弱点が、この戦場では命取りだ。



マギーは目の前のモンスターたちと対峙しながら、終始ブライアンを気にしていた。



「あなたはとっても強いけど、心がとっても弱いみたい。

そんなあなたの赤い血を私が残らず吸い付くしてあげるわ」



ドロレスはそう言って、背後からブライアンの首にがぶりと噛みついた。



そしてその瞬間、ブライアンは情けない悲鳴を上げた。



この最悪の状況の中で、ブライアンは逃げなくてはと思っていたが、ドロレスに血を吸われると同時に、ドロレスの唾液からブライアンの脳に快楽物質が送り込まれてきて、ブライアンは快楽の中でドロレスの攻撃に抗えなかった。



それを見たマギーは、目の前にいるモンスターたちを重殺剣で次々と倒した後、ブライアンを助けるために全力で走り出していた。



大切な仲間をいかなるときも助けること。



それがブライアンが率いる最強パーティのたった一つの大切な掟だから。
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