病んでる僕と最強の勇者たち
「どうした、ガキの賢者。

このオレ様と剣がぶつかっただけで、顔が青ざめてやがるじゃないか?

さっきまでの元気はどうした?

このオレ様を倒すんだろ?」



僕はエドモンドの余裕の言葉を聞きながら、どうすればエドモンドに勝てるかを必死になって考えていた。



パワーではエドモンドに勝てない。



だったら僕は、必死に知恵を搾るしかない。



セクシーな女神、フローラは、僕がこの異世界に転生する際に、僕に最強の賢者の資質をくれた。



そんな僕は、この異世界で主役になれる能力を持っているに違いない。



もし、本当にそうなら、強敵、エドモンドでさえも、攻略の糸口は必ずどこかに存在するはずだった。



僕はそう信じて、体中の気力を振り絞り、またエドモンドに剣を向けた。



「おい、ガキの賢者。

まだ自分の実力を認めないのか?

ならば、このオレ様が貴様に貴様の無力さをたっぷりと教えてやろう。

貴様がどんなに正義を振りかざしても、力なき者の言葉は正義にはならない。

この世界では、闇の魔王、ダーギル様の言葉こそが正義だ。

無力なガキは、正義など語れない!」



エドモンドはそう言うと、また大きな黒い馬と共に僕の方へと突っ込んできた。



僕はそれを目にして、死の危険を感じながら、エドモンドの剣だけに全神経を集中させていた。
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