病んでる僕と最強の勇者たち
「ようやく勝てたね、明彦君。

これも全部、明彦君の活躍のおかげだよ」



黒色の三角帽を被ったリリーが小首を傾げながら、僕に優しい声でそう言ってくれた。



僕はリリーみたいなすごい魔法使いと同列の仲間であることがうれしくて、思わず声を上げて泣いてしまっていた。



僕はもう、元の世界のヘタレな明彦じゃないはずなのに……。



僕はリリーと仲間の最強の賢者であるはずなのに……。



リリーは泣いてる僕のそばに寄り添い、優しく僕に話しかけた。



「明彦君、リリーはね、男の子でもうれしいときや悲しいときは泣いてもいいと思うんだ。

人はきっとね、感情があるから生きてて楽しいんだよ。

だから、明彦君はいくらでも泣いていいんだよ」



僕はリリーのその言葉を聞いて、また声を上げて泣いていた。



女の子の前で声を上げて泣いている僕はカッコ悪い男だ。



でもリリーは、そのカッコ悪い僕を受け入れてくれた。



僕はそんな仲間を大切にしたい。



僕はもう一人じゃない。



僕には最高の仲間がいる。



僕はその仲間たちと共に、闇の魔王、ダーギルを倒すんだ。
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