病んでる僕と最強の勇者たち
ブライアンとリリーのケンカは、ブライアンが折れる形でようやく収まり、僕たちは草原の巨木の影で休憩を取っていた。



僕は道具袋の中から回復薬を取り出し、みんなにそれを配って、失った体力の回復を図っていた。



僕はこの異世界で初めて回復薬を飲んでみて、めちゃくちゃ濃厚な栄養ドリンクみたいな感じだなぁと思いながら、みるみるうちに回復していく体力に不思議な気持ちになっていた。



僕は巨木の幹に背中を預け、まだ遠くに見える北のお城を見つめていた。



あのお城に行き、闇の魔王、ダーギルを倒したとき、僕たちの冒険は終わりを告げる。



僕はそのとき、セクシーな女神、フローラが言った通り、この異世界を離れ、元の世界で蘇るのだろう。



そしたら僕は今の大切な仲間たちとは離れ離れだ。



そして、元の世界に戻った僕は、もう二度と、今の大切な仲間たちと会うことはないだろう。



僕がそんな感傷に浸りながら、北のお城を見つめていたとき、僕の何かに気づいたリリーが僕の顔をのぞき込み、僕に話しかけてきた。



「ねぇ、明彦君。

今、何を考えてたの？

リリーに教えて」



リリーはそう言って、いつもの優しい笑顔で、僕に微笑みかけてきた。



リリーの優しい笑顔は僕の心を癒してくれる。



僕はリリーに自分の悩みごとを話し始めた。
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