病んでる僕と最強の勇者たち
「みんな、耳を澄まして。

何かの足音が聞こえてくる」



マギーのその言葉に反応して、僕は耳を澄まし、暗闇に包まれたお城の中に目を向け、息を殺していた。



確かに足音が聞こえる……。



マギーの言う通り、何かの足音が僕たちに近づいている。



「おそらく敵だぜ。

それもかなりの数の敵だ」



「暗くて何も見えないよ。

敵って、たくさんいるのかなぁ」



「リリーの魔法で、お城の中を照らしてくれ。

暗闇の中じゃ、オレたちは戦えない。

頼んだぞ、リリー!」



ブライアンがリリーにそう言うと、リリーはうれしそうに笑って、うなづいていた。



「それじゃ、リリーの魔法でお城の中を明るくするね」



リリーはそう言うと、魔法の杖を掲げて、魔法の杖に魔力を貯め込んだ。



「我に秘められし、神の力。

その魔力でお城の暗闇を照らしたまえ。

光の魔法、ファイヤーライト!」



リリーがそう言って魔法を唱えると、リリーが掲げた魔法の杖から光の玉が飛び出して、その光の玉が宙に浮き、お城の中を照らし出した。



僕は明るく照らし出されたお城の中を見回し、聞こえてくる足音の正体を探っていた。



そしてそのとき、マギーが大きな声を張り上げ、敵の出現をみんなに告げた。



「敵はあそこだ!

たくさんのモンスターたちが、お城の階段を駆け下りてこっちに来ている!」



僕はマギーのその声を聞いて、お城の階段に目を向けた。



するとその細い階段に列をなして、たくさんのモンスターたちが、僕たちに迫っていた。
< 183 / 239 >

この作品をシェア

pagetop