病んでる僕と最強の勇者たち
(リリーの魔法とダーギルの魔法が正面からぶつかり合って、形を変えて歪んでいる。

リリーの魔法とダーギルの魔法、いったいどっちが勝つんだろう?)



僕はリリーの魔法が世界最強だと信じていた。



僕がこの世界で見てきたリリー・ネルソンの魔法は常に敵のモンスターたちを圧倒してきたから。



黒色の三角帽にピンクの長い髪、そして木製の魔法の杖に、黒色とピンクの二色で彩られたセクシーなドレス。



そんなセクシーでかわいらしいルックスのリリーから、あんなにすごい魔法が次々と飛び出していくなんて誰が想像できるだろう。



いつもは笑顔のリリーだが、このときばかりは真剣な顔で、自分が放った魔法の行方を見守っていた。



でも、そんなリリーの魔法がダーギルの魔法に少しずつ押され始めた。



そしてついに、ダーギルの魔法はリリーの魔法を吹き飛ばし、リリーへと襲いかかった。



「逃げろ、リリー!」



僕は危機的状況のリリーに向かって叫んでいた。



リリーは自分の魔法が吹き飛ばされたショックで、コンマ数秒だけダーギルの魔法に反応するのが遅れてしまった。



リリーは空を飛び、ダーギルの魔法を回避したが、ダーギルの魔法の余波で体を吹き飛ばされ、リリーの体は石畳の床に叩き落とされていた。



僕はリリーの魔法を上回ったダーギルの魔力に驚いていた。



僕たちの目の前にいる黒い巨体のモンスターは、僕たちの想像を越える強さを持っていた。
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