病んでる僕と最強の勇者たち
ダーギルを倒せ
「これが闇の魔王、ダーギル……。

この巨体の黒いモンスターが、ベルミータ国を闇に包んだ魔法使いなのか……」



マギーは剣を握りしめながら、ダーギルに対し警戒を深めていた。



マギーは百戦錬磨の女剣士だ。



そんなマギーだからこそ、ダーギルの強さを一瞬で感じ取っていた。



「貴様らが、このオレ様の影たちを倒したことを褒めてやろう。

だが、このダーギル様を相手に貴様らは無力だ。

貴様らはこのダーギル様に逆らったことを後悔して死ぬだろう」



ダーギルはそう言って、不気味な笑みを僕たちに見せていた。



僕がそんなダーギルに恐怖を感じている中、僕の仲間たちは威圧感のあるダーギルに一歩も退かぬ構えで、戦闘体勢に入っていた。



「そんなに大きな体をしてても、リリーは少しも怖くないからね!」



リリーはそう叫ぶと、一歩前へと踏み出し、魔法の杖をダーギルへと突き出した。



「リリーの魔法でダーギルを倒すよ。

火系の最強魔法、デスファイヤー!」



リリーが魔法を唱えると、リリーの魔法の杖から巨大な炎がダーギルに向かって飛び出していった。



(リリーの最強の魔法が直撃する。

これならきっとダーギルも……)



僕はリリーの魔法の威力に期待しながら、リリーの魔法の行方を見ていた。



でも、リリーの魔法が迫ってきてもダーギルは余裕な態度で、リリーの魔法の方へゆっくりと右手を向けた。



そしてダーギルはリリーの魔法に対抗するかのように、自らも魔法を唱えた。



「オレ様の魔法を貴様らに見せてやる!

これがオレ様の火系魔法、ギガントファイヤーだ!」



ダーギルが火系の魔法を唱えると、ダーギルの右手から巨大な炎が飛び出していった。



そしてダーギルが唱えた炎の魔法とリリーが唱えた炎の魔法が、真っ正面から激突した。



そしてその二つの魔法が強烈にぶつかり合ったとき、二人の魔法が動きを止めた。



僕はぶつかり合っている二つの魔法の威力に驚愕しながら、二つの魔法の行方を見守っていた。
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