病んでる僕と最強の勇者たち
「明彦は今、オレのことをバカだって思っただろ?

自分のバカさ加減はオレが一番よくわかっている。

でも、オレのこだわりに明彦も付き合え。

オレはバカだけど、この最強のパーティのリーダーだ!」



「でも、ブライアン!」



僕がブライアンのその言葉に食い下がろうとしたとき、ブライアンの本音と優しさがチラリと見えた。



「明彦は回復薬でリリーを救ってくれ。

マギーは自力で起き上がってこれるだろうが、リリーは大ダメージを受けて、もう自分では立ち上がれない。

オレたちのパーティは、誰一人欠けちゃいけないんだ。

オレたちは四人揃って、ベルミータ国をダーギルから救うんだ」



僕はブライアンの気持ちを理解し、ブライアンの言葉に頷いた。



そして僕は身を呈して仲間を助けようとしているブライアンの優しさに、大きく心を動かされていた。



(ブライアンは仲間を救うために、ダーギルと一対一で戦うんだ。

僕はそんなブライアンの気持ちに絶対に答えたい。

僕が今するべきことは、大ダメージを受けたリリーを救うことだ!)



僕とブライアンは互いに自分がすることを明確にし、闇の魔王、ダーギルと向かい合った。



ブライアンがいるなら、闇の魔王、ダーギルにもきっと勝てる。



僕はブライアンの活躍に望みを託し、リリーに向かって走り出した。
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