病んでる僕と最強の勇者たち
僕たちはその日、城下町の酒場でたくさんの人たちに祝福されながら、美味しい料理を食べ、お酒を飲んだ。



ブライアンはきれいな若い女性に自分の活躍を自慢し、リリーはそんな浮気性なブライアンを本気で怒っていた。



マギーはたくさんの男の人たちから交際を申し込まれていたが、「本気の恋しか私はできぬ」と言って、すべての誘いを断っていた。



そして僕にも、僕と友達になりたいたくさんの人たちが、僕に話しかけてきた。



僕の小さなキャパシティでは、そんなにたくさんの人たちを受け入れることができなかったけど、それでも僕はみんなの好意がうれしかった。



僕はその日の夜、時間を忘れて、みんなと一緒にベルミータ国の平和をよろこんでいた。



この浮かれていられる夢の時間が永遠に続けばいい。



みんなの笑顔がいつまでも消えないように……。



ベルミータ国に日の光が差したと同時に、ベルミータ国の人たちの心の闇もいつの間にか消え去っていた。



僕はそんなベルミータ国の人たちの幸せそうな顔を決して忘れないように心の中に刻み込んだ。



この異世界での幸せなときが、もうすぐ終わりを告げることを僕は知っていたから。



僕は幸せな気持ちのまま、知らぬ間に眠りにつき、そして元の世界に戻らなくてはならない朝を迎えた。



僕は後ろ髪を引かれるような気持ちで、この異世界で出会った最高の仲間たちに別れを告げるときを迎えていた。



僕はその日泊まった宿の待合室で大切な仲間たちと向き合い、仲間たちに話し始めた。
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