病んでる僕と最強の勇者たち
「じつはそのう……。

僕は異世界から転生してきた15歳で、この世界に僕を送り込んでくれた女神様が、僕をLV99の最強の賢者にしてくれたんです。

だから僕は、LV99でも戦闘の経験がなくて……。

でも、そんな僕にも、倒さなくてはいけない相手がいるわけで……」



「だから明彦は、戦闘の経験がなくLV99の賢者なのか」



美少女剣士のマギーがそう言って、僕のレベルの高さに納得すると、すぐに別のことも聞いてきた。



「一つ聞きたい。

明彦が倒さなくてはならない相手とは、いったい誰だ?」



マギーの言葉はサバサバしていて、女らしさを感じない。



でも、僕にはそんなマギーのストレートで飾らない言葉が心地よかった。



「僕が倒さなくてはならないのは、闇の魔王、ダーギル。

僕はダーギルを倒して、ベルミータ国に日の光を取り戻したくて……」



「闇の魔王、ダーギル?

その人って、誰ですか?」



黒色の三角帽を被ったセクシーな魔法使いのリリーが、かわいらしく小首を傾げて、僕にそう尋ねてきた。



そして僕がリリーの質問に言葉を返そうとしたとき、ブライアンが僕らの会話に入ってきた。



「リリーは本当に何にも知らねぇんだなぁ。

ダーギルってのは、ベルミータ国を支配してる悪いヤツだよ。

オレはベルミータ国のお姫様に救援を頼まれてるから知ってるんだ。

今、ベルミータ国って、大変なことになってんだぜ」



僕はブライアンのその話を聞いて、反射的に言葉を返した。



「ブライアンが言ってるベルミータ国のお姫様って、シェーラのこと?

ブライアンはシェーラを知ってるの?」
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