病んでる僕と最強の勇者たち
「ああ、もちろん知ってる。

ベルミータ国王の次女、シェーラ姫だろ?

世の中の困ってる人はみんなオレに相談に来るんだよ。

何でだかわかるか?

オレが最強の勇者だからさ」



ブライアンがそう言って、みんなにイケメンな感じのキメ顔を見せると、マギーは呆れた顔でため息をついていた。



そんなマギーとは対称的に、リリーはブライアンの自信たっぷりの語り口によろこび、かわいらしい笑みを浮かべながら、ブライアンを見つめていた。



僕は異世界で初めて出会った人であるシェーラの美しい顔を頭の中に思い浮かべ、早くもう一度、シェーラに会いたいと心の中で思っていた。



そして僕は今日出会ったばかりの三人に、心を込めて大切な話を切り出した。



「みんなに僕の話を聞いて欲しい。

僕はベルミータ国を救うために、どうしても闇の魔王、ダーギルを倒したい。

でも、闇の魔王、ダーギルを倒すなんていう壮大なミッションを、僕一人じゃ達成できない。

だから、そのう……。

僕はみんなと仲間になりたい。

僕はみんなとパーティを組んで、闇の魔王、ダーギルを倒したいんだ」



僕はそう言ったあとにドキドキしていた。



だって、元の世界にいた但野明彦には友達がいなかったから……。



そんな友達のいない僕が、心の中で大切にしてたのは、大好きなアニメのキャラクターたちだ。



そんな一人ぼっちに慣れきっていた僕が今、みんなと仲間になりたくて、心からのお願いをしていた。



(もしも誘いを断られたらどうしよう?

そしたら僕は一人ぼっちで……)



僕がそんな心配をしてるとき、セクシーな魔法使いのリリーが、一番最初にこう言った。
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