病んでる僕と最強の勇者たち
「それじゃ、リリーの魔法で辺りを照らすね」



リリーはそう言って、手にしている木製の魔法の杖に魔力を込めた。



「我に秘められし、神の力。

その魔力で闇夜を照らしたまえ。

光の魔法、ファイヤーライト!」



リリーがそう言って、魔法を唱えると、リリーが手にしている木製の魔法の杖から光の玉が飛びして、その光の玉が宙に浮いて辺りを照らした。



「さすがはリリー。

これで闇夜も歩きやすい!」



「やるじゃねぇか、リリー。

勇者のオレも魔法だけはリリーに勝てねぇからな」



「ねぇねぇ、リリーってすごいでしょ。

リリーは偉大な魔法使いなんだよ」



僕は仲間たちの声を聞きながら、リリーが解き放った光の玉が映し出している幻想的な光景を見つめていた。



さっきまで恐怖の対象にしか見えていなかった暗闇の森が、今では素晴らしく美しいファンタジーの世界を作り出していた。



そして僕はその美しい光景を見つめながら、早くベルミータ国に光を取り戻したいと心から思っていた。



そしたら、このベルミータ国に再び美しい光景が広がっていくはずだから。



僕は仲間たちの頼もしい背中を見つめながら、この人たちと仲間になれたことを誇りに思った。



だって僕と一緒にいるこの人たちは、この異世界に存在する最強のメンバーだから。
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