激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
彼は私の顔をのぞき込み、頬を緩める。

もちろん私もそう思ってる。

太一さんと同じ時間をすごせばすごすほど、心の結びつきが強くなっていくのを感じる。


「はい。でも仕事はまずくないですか?」

「もちろん、ビジネスは駆け引きがあるから、ときには嘘も方便になる。でも、よくない縁にしがみつくつもりはない。今までも、不誠実な相手とはすっぱり手を切ってきたけどそれで困ったことはないし、共倒れを回避したことすらある」


なるほど。

彼の場合、取引額の大きさとか社会的影響とかより、誠実か不誠実かが重要なのだろう。
人を見る目があるということなのかも。


「私は太一さんを信じてついていくだけです」
「ありがとう、紬」


私の額に唇を押し付けた彼は続ける。


「結婚前にも言ったけど、紬に苦労――」


私は彼の口を指で押さえて遮った。


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