氷の美女と冷血王子
「本当に、なんとお詫びしたらいいんだか・・・」
さっきから同じ言葉を繰り返す川崎社長。
相変わらず、経営者らしくない人だ。
良くも悪くも良い人過ぎて、危なっかしい。
目の前の急ぎの仕事だけを片づけて、会社を飛び出した俺は川崎紙業を訪ねた。
色々と思いを巡らすよりも、まずは本人に会って事実関係を確認するのが一番だと思えた。
そうしなければ、事態は前に進まない。
約束もなく訪れた俺は、すぐに社長室に通され、川崎社長と向きあって座った。
「この記事の内容は事実ですか?」
一番気になっている事をストレートに聞いてみた。
「私の父が川崎組の組長なのも、父から資金の援助を受けているのも嘘ではありません」
社長も正直に答えてくれた。
「しかし、言われているような黒い金では決してありません」
「本当ですか?」
「はい」
はっきりと答える川崎社長は堂々としていて、嘘は感じられない。
でも、だったらなぜ今こんな記事が出るんだ。
「父は、私が会社を起業する際にも設備投資をする際にも資金を出してくれています。それは事実です。しかし、あくまでも父親としてであって、川崎組とは無縁です。金の出所も、両親が私のために積み立てていてくれたものです」
間違っても組の金ではないんだと言い切った。
「そうですか」
その言葉を聞いて、俺はホッとした。
でも、それならなぜ?疑問は膨らむばかりだ。
さっきから同じ言葉を繰り返す川崎社長。
相変わらず、経営者らしくない人だ。
良くも悪くも良い人過ぎて、危なっかしい。
目の前の急ぎの仕事だけを片づけて、会社を飛び出した俺は川崎紙業を訪ねた。
色々と思いを巡らすよりも、まずは本人に会って事実関係を確認するのが一番だと思えた。
そうしなければ、事態は前に進まない。
約束もなく訪れた俺は、すぐに社長室に通され、川崎社長と向きあって座った。
「この記事の内容は事実ですか?」
一番気になっている事をストレートに聞いてみた。
「私の父が川崎組の組長なのも、父から資金の援助を受けているのも嘘ではありません」
社長も正直に答えてくれた。
「しかし、言われているような黒い金では決してありません」
「本当ですか?」
「はい」
はっきりと答える川崎社長は堂々としていて、嘘は感じられない。
でも、だったらなぜ今こんな記事が出るんだ。
「父は、私が会社を起業する際にも設備投資をする際にも資金を出してくれています。それは事実です。しかし、あくまでも父親としてであって、川崎組とは無縁です。金の出所も、両親が私のために積み立てていてくれたものです」
間違っても組の金ではないんだと言い切った。
「そうですか」
その言葉を聞いて、俺はホッとした。
でも、それならなぜ?疑問は膨らむばかりだ。