氷の美女と冷血王子
子供の頃から、「麗子ちゃんは綺麗な子ね」と言われてきた。
客観的に見れば、目鼻立ちのはっきりしたバランスのいい顔だと自分でも思う。
でも、私はこの顔が嫌い。
この顔のせいで、ずっとずっと辛い思いをしてきたんだから。
物心ついたときから、私は母さんと2人暮らし。
ずっと水商売をしてきた母さんは未婚のまま私を産み、1人で私を育ててきた。
私が初めてよそのお家と我が家が違うと気づいたのは、小学校に上がった頃。
遊びに行ったお友達の家のリビングで、偉そうに座っている男の人を見たときだったと思う。
友達はうれしそうに駆け寄り、「パパ」と呼び膝に座った。
それが、私にとっては不思議な光景だった。
ポカンと見ている私を、「おいで」と男の人が手招きし、友達と並べて膝に乗せた。
「君、かわいい子だね」
優しい声が頭上から降ってきても、私は何も答えることができなかった。
家の中に男の人がいるのも変な気分だし、誰かの膝の上にいる自分にも違和感がある。
それでも、この状況を冷静に見ている自分もいて、パパのいる暮らしってこんな感じなのね。なんて思っていた。
その時、
「パパ、何で麗子ちゃんばっかりかわいいって言うのっ」
突然、友達が怒り出した。
小学校に上がったばかりの子供からすれば、当然の嫉妬だったと思う。
「そんなことはないよ」
必死に言い訳するパパだけれど、もう遅い。
怒った友達は泣き出してしまい、私はすぐに自宅へと帰った。
その日から、私はその子に嫌われ、2度と遊びに誘われることはなかった。
客観的に見れば、目鼻立ちのはっきりしたバランスのいい顔だと自分でも思う。
でも、私はこの顔が嫌い。
この顔のせいで、ずっとずっと辛い思いをしてきたんだから。
物心ついたときから、私は母さんと2人暮らし。
ずっと水商売をしてきた母さんは未婚のまま私を産み、1人で私を育ててきた。
私が初めてよそのお家と我が家が違うと気づいたのは、小学校に上がった頃。
遊びに行ったお友達の家のリビングで、偉そうに座っている男の人を見たときだったと思う。
友達はうれしそうに駆け寄り、「パパ」と呼び膝に座った。
それが、私にとっては不思議な光景だった。
ポカンと見ている私を、「おいで」と男の人が手招きし、友達と並べて膝に乗せた。
「君、かわいい子だね」
優しい声が頭上から降ってきても、私は何も答えることができなかった。
家の中に男の人がいるのも変な気分だし、誰かの膝の上にいる自分にも違和感がある。
それでも、この状況を冷静に見ている自分もいて、パパのいる暮らしってこんな感じなのね。なんて思っていた。
その時、
「パパ、何で麗子ちゃんばっかりかわいいって言うのっ」
突然、友達が怒り出した。
小学校に上がったばかりの子供からすれば、当然の嫉妬だったと思う。
「そんなことはないよ」
必死に言い訳するパパだけれど、もう遅い。
怒った友達は泣き出してしまい、私はすぐに自宅へと帰った。
その日から、私はその子に嫌われ、2度と遊びに誘われることはなかった。