愛を孕む~御曹司の迸る激情~
「えっと、意味がちょっと....。それってどういう....」
「一緒にいたの、俺の姉貴なんだ。」
その時、また衝撃的な言葉が飛び込んできた。
「は?」
もう、どう反応するのが正解なのか。全く分からない。
姉貴?成宮さんの、お姉さん??
意味不明だと言いたくなった。でも、彼の顔を見たら何も言えなくなった。嘘や冗談を言っているようには見えなかったから。
その事実を受け入れるしかないようだった。
「俺の姉貴、眞壁 百合。旧姓、成宮 百合。」
"百合"
百合の花のような人だと思ったあの時の言葉が、偶然にも名前と一致するなんて....
いろんな偶然が重なるにも程がある。もうここまで来ると笑えてきて、何を聞いても驚かない気がした。
「たしか、結婚して、子供もいるって.....」
「そう。俺の義理の兄に当たる旦那も、五歳になる可愛い甥っ子もいる。」
複雑そうな表情を浮かべ、呆れる成宮さん。
「不倫.......」
私がそう呟くと、彼は口をつぐんでしまった。
まさか自分の婚約者が、隠れてそんなことをしていたなんて......。浮気ならまだしも、不倫。
相手は家庭のある人で、小さな子供までいるというのに、なんてこと。そんなの許されるはずがなかった。