イケメン拾った!魔法を隠して慎ましく?スローライフ…できてない!!
「とても美味しそうだ…」
広げた食事を前にライアンは目を丸くしている。
そうだろうとも!ここのとこ回復食で胃に優しいものしか出してないから。
今日のメインはどこかの国ではナンと呼ばれているらしいパンに畑で作った野菜やら薄くスライスした肉やらを挟んだもの。
魚を揚げて挟んだものもあるんだ。
鳥さんから頂いた卵とあまり野菜のキッシュもあるし果物もあるよー。
あとは冷めても美味しいスープ。
じぃさんが料理に納得して旨い!が出たのは……死ぬ前の日だったっけ。
パン焼き釜も実はあるんだよー。パンは都にしかないと思ったら甘い!じぃさんはパン大好き人間だった。行商おっさんから材料を買い込み、気に入るパンが焼けるまで何度も何度もやり直させられた。(くそっ)
おかげて狩猟の夜営でも大概あるもので作れるようになったのは感謝しなきゃないな。
「好きなものを好きなくらい食べな」
「いいのか?」
ライアンの喉が鳴るの分かったからね(笑)それに魚取りも圧勝だったし♪
「どーぞ」
「ありがとう。では」
ライアンは食事の前に漁をする前の私と同じように手を組んだ。
「恵みに感謝を」
うんうん、大事だね。
「……旨い」
肉を挟んだパンに口を付けて目を丸くした。美味しい顔はいい気分だ。
にしても不思議だ。がっついてる訳じゃないのに手元の食べ物があっという間に無くなっていく。じぃさんが昔見せてくれた手品ってやつ?
それがなんだか微笑ましくて眺めていた。私は今食べている魚のパン1つでも多いくらいだから。
そして、ふと目が合う。
「あ…マキアージュ、付いてる」
「ん?」
「ソース。ほらそこじゃない」
「…どこ?」
どこを触っても良しと言われないから焦れてきた。じぃさんは付いてるって言ったらぺろってされた。小さい頃から至極当然の事なのにライアンは指示するばかり。
「取って」
顔をつき出す。ん!と。
途端にライアンが固まった。
「なに?」
「いや、取ってと言われてもだな……」
「指示するだけじゃわかんない。じぃさんはすぐに取ってくれた!口で」
「口で!?」
ライアンは固まる。当たり前だろう、結婚前のいや結婚したとして夜の話なら別だが食を囲む席で淑女の顔に舌を這わせるのは……マナー違反だろう。
「ん!」
多少苛ついてるのがよくわかるマキアージュ。そんなマナーは知ったことではない。じぃさんはそうしていたから。
しまいには目を閉じ眉間に似つかわしくないシワを寄せるほどに嫌なのだ。簡単なことを煩く言われるのは。
ライアンはと言うと……プチパニックを起こしていた。これも当たり前なことだ。
が、段々マキアージュの表情が険しくなると。
「わかったよ…目を開けて」
優しい声がした。
今までで一番声色が優しかったため眉間にシワを寄せていたがそっと目を開けると。
「これで…許してくれないか」
優しく自分の口許から指でソースを拭い、ペロッと舐めたライアンがいた。
「許す!続き、食べよーう♪」
やっと不快感から脱したから満足♪
その高らかな鈴のなるような声に辺りの風がライアンにも感じるほど、いつかのように気持ちよく吹いた。
「あ…」
「なに?」
小首を傾げると。
「なんでもないよ…さぁ食べよう。全部平らげてしまいそうだよ」
「あはは、食べなよ。また作るから」
そうして食事は再開された。
このあとマキアージュは食べきれないパンを油断したライアンの口に押し込んだのだけど…
広げた食事を前にライアンは目を丸くしている。
そうだろうとも!ここのとこ回復食で胃に優しいものしか出してないから。
今日のメインはどこかの国ではナンと呼ばれているらしいパンに畑で作った野菜やら薄くスライスした肉やらを挟んだもの。
魚を揚げて挟んだものもあるんだ。
鳥さんから頂いた卵とあまり野菜のキッシュもあるし果物もあるよー。
あとは冷めても美味しいスープ。
じぃさんが料理に納得して旨い!が出たのは……死ぬ前の日だったっけ。
パン焼き釜も実はあるんだよー。パンは都にしかないと思ったら甘い!じぃさんはパン大好き人間だった。行商おっさんから材料を買い込み、気に入るパンが焼けるまで何度も何度もやり直させられた。(くそっ)
おかげて狩猟の夜営でも大概あるもので作れるようになったのは感謝しなきゃないな。
「好きなものを好きなくらい食べな」
「いいのか?」
ライアンの喉が鳴るの分かったからね(笑)それに魚取りも圧勝だったし♪
「どーぞ」
「ありがとう。では」
ライアンは食事の前に漁をする前の私と同じように手を組んだ。
「恵みに感謝を」
うんうん、大事だね。
「……旨い」
肉を挟んだパンに口を付けて目を丸くした。美味しい顔はいい気分だ。
にしても不思議だ。がっついてる訳じゃないのに手元の食べ物があっという間に無くなっていく。じぃさんが昔見せてくれた手品ってやつ?
それがなんだか微笑ましくて眺めていた。私は今食べている魚のパン1つでも多いくらいだから。
そして、ふと目が合う。
「あ…マキアージュ、付いてる」
「ん?」
「ソース。ほらそこじゃない」
「…どこ?」
どこを触っても良しと言われないから焦れてきた。じぃさんは付いてるって言ったらぺろってされた。小さい頃から至極当然の事なのにライアンは指示するばかり。
「取って」
顔をつき出す。ん!と。
途端にライアンが固まった。
「なに?」
「いや、取ってと言われてもだな……」
「指示するだけじゃわかんない。じぃさんはすぐに取ってくれた!口で」
「口で!?」
ライアンは固まる。当たり前だろう、結婚前のいや結婚したとして夜の話なら別だが食を囲む席で淑女の顔に舌を這わせるのは……マナー違反だろう。
「ん!」
多少苛ついてるのがよくわかるマキアージュ。そんなマナーは知ったことではない。じぃさんはそうしていたから。
しまいには目を閉じ眉間に似つかわしくないシワを寄せるほどに嫌なのだ。簡単なことを煩く言われるのは。
ライアンはと言うと……プチパニックを起こしていた。これも当たり前なことだ。
が、段々マキアージュの表情が険しくなると。
「わかったよ…目を開けて」
優しい声がした。
今までで一番声色が優しかったため眉間にシワを寄せていたがそっと目を開けると。
「これで…許してくれないか」
優しく自分の口許から指でソースを拭い、ペロッと舐めたライアンがいた。
「許す!続き、食べよーう♪」
やっと不快感から脱したから満足♪
その高らかな鈴のなるような声に辺りの風がライアンにも感じるほど、いつかのように気持ちよく吹いた。
「あ…」
「なに?」
小首を傾げると。
「なんでもないよ…さぁ食べよう。全部平らげてしまいそうだよ」
「あはは、食べなよ。また作るから」
そうして食事は再開された。
このあとマキアージュは食べきれないパンを油断したライアンの口に押し込んだのだけど…