だから、言えない

本当にかっこいいんだよね。
曲がるときに左右を確認する顔とか、
もう、すっごく好き!

音楽もラジオもかかってなくて、
車内は静かだった。

お互いに話さなくても、
私は、全然気まずいと思わない。
村薗先輩と同じ空間に
二人きりでいるというこの状況が
幸せだから。

「片林さんはね」

村薗先輩が沈黙を破って、話し始めた。

「連のことをいつも気にかけてるんだ。
でも、片林さんは仕事も
家庭の方も忙しいでしょ?
それに、俺と連は仲がいいから、
こういう時、俺に頼んでくるんだ」
「どうして片林さんは、
佐山さんを気にかけてるんですか?」

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