【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


『……なんか今日宮城くん機嫌悪いのかな。なんかピリピリしてない?』

『そう? いつもあんな感じだよぉ。ピリッとしてるところもいいんじゃん』


「……」



「杏奈、何その落ち込みっぷりは」

「……」


昼休み、話しかけてきた夏美にあたしはゆっくりと視線だけ向けて……そのままその視線を机へと落とす。

自分でもこんなに落ち込んじゃってるのは不思議だ。


「……ちょっと悪口言われちゃって」

「悪口?! 誰に?! ってゆうか杏奈またいやがらせとか受けてないよね?! なんかあるんだったら言いなよ、ちゃんと!!

あたしが虐め返してやるから!!」


夏美の声に、隣で本を読む宮城の視線を一瞬感じたけど……どうやら勘違いだったみたいで、ちらっと横目に見ても宮城の視線は本の細かい字捕らえたままだった。


夏美の言ういやがらせを受けたのは、先輩と付き合った2日目。

それなりに人気のあった先輩とあたしなんかが付き合う資格なんかないって、校舎裏で浴びせられた罵詈雑言。

悔しかったけど、あたしはここまで落ち込まなかった。


だけど……


『里咲とると落ち着かない』

『イライラする』



宮城の言葉が、あたしのテンションをどうしょうもないほどに下げていって持ち上げようとしない。


……先輩に振られた時よりもずっとずっと……痛くて、悲しい。




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