【短編】恋愛モルモット~恋の価値観~


「ごめん、ちょっとトイレ」


じわっと浮かび上がってきた涙に慌てて席を立ってトイレに向かう。

宮城と隣になって1ヵ月ちょっと。

宮城と公園に行くようになって5日目。



たったそれだけなのに……

気付いたときには、こんなにも好きで。


それは自分でも驚くほど。

だけど、不思議と戸惑いはあまりなくて。


惹かれた理由は、決定打は、コレだ! とは言えないけど、だけど宮城が好き。


本がお友達でも

バスケが下手でも

理屈っぽくても

冷たいほどにストイックなところも。


ふと見せる優しさも

困ったような笑い方も

ドキっとしちゃうくらいに見つめてくる瞳も

キレイな手も

貸してくれたカーデガンも。



宮城が好き。

宮城だから……好き。




それは、憧れてまでいた「恋」の形。

短所も含めて、その人だからって理由で許せてしまう「好き」



「もう……遅いのに」


もう、嫌われちゃったの……

もう……


ダメなのに――――……



相変わらずダメすぎる自分に嫌になる。

宮城をこんなに好きになっちゃった自分が……苦しくて仕方ない。



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