不本意ながら、極上社長に娶られることになりました
「ありがとうございます……」
一緒にやろうだなんて、絶対言ってくれないと思っていた。
好きにやってくれとか、任せるとか、干渉しない姿勢とばかり思っていたからだ。
「今日は午後、約束通り時間を作ってきたが、いつもどこで買い物をする?」
近かった気配が離れると、桜坂社長は突然そんな話題を切り出す。
そう言われて、そうだった、そんな話もしたんだった、と思い出した。
「いつも……特に決まってはないですけど、仕事の帰りに駅ビルとか寄ったりとか、そういう感じです」
一般庶民の私の買い物なんて桜坂社長には未知の世界だと思われる。
私が買い物でうろうろするような場所なんて、きっと行ったこともないんじゃ……?
「わかった。それなら普段行くところに付いて回ろう」
そう言い残し、桜坂社長はランドリー室の扉をひとり出ていく。
「あっ、はい!」
取り残されて、慌てて返事を返した。