不本意ながら、極上社長に娶られることになりました


「……うん、こっちも美味しい……!」


 白いプレートの上に並ぶレッドなスイーツたち。

 定番のいちごショートからミルフィーユ、ババロアにベリーゼリー。

 いちごがぎっしり載ったタルトを口に運ぶと、つい幸せの笑みが浮かんでしまう。

 そんな私の様子を目に、千晶さんはくすっと笑う。


「本当に好きなんだな。全制覇する勢いじゃないか?」


 このプレートで三往復目。

 豊富なストロベリースイーツに目移りしながらも、千晶さんの言う通りなんだかんだ全種類食べ尽くしそうな勢いだ。

 そんな調子の私の横で、千晶さんは嗜む程度にしかスイーツを口にしていない。

 まさにこのホテルブッフェに相応しい上品なお客様だ。


「なんか、すみません。こんな食べてる客、私くらいかも……でも、せっかくのスイーツブュッフェなので!」


 そう言った私を、千晶さんはまたくすっと笑う。

 こんな風に笑う人だったっけ……?なんて、今更ながらふと思った。


「いいんじゃないか? 別にどれだけ食べようと問題ない。むしろ、作ったほうはありがたいものだ」

「そう、ですか……? そう言ってもらえると安心して食べられます」


 艶々のいちごにフォークを刺し、ぱくりと口に運ぶ。

 その様子を正面からじっと観察されていて、どきりと鼓動が小さく跳ねた。

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