不本意ながら、極上社長に娶られることになりました
「あの……今日はどうして、連れてきてくださったんですか?」
思ったままを口にしたものの、口に出して変なことを訊いてしまったと思った。
そう思ってすぐ、「あっ、どうしてって、私が好きだって言ったからですよね」と付け足す。
「まぁ、それもあるけど……」
紅茶のカップを手に取りながら、千晶さんは含みを持たすような言い方をする。
「……?」
「夫婦らしい時間を、もっと作ったほうがいいかと思って」
え……?
そう言った千晶さんの表情を目の当たりにして、鼓動が高鳴りを増していく。
穏やかで柔らかい、これまで見たことのない千晶さんの顔。
どうして、そんな顔……?
私との関係――結婚は、本意ではないと言っていた。
それなのに、そんな表情でそんなことを言われたら戸惑う。
だけど……。
トクントクンと響くように音を立て始めた心拍が主張を始めていく。
その先の言葉を千晶さんの優し気な目元を見つめ待っていると、私と目を合わせた彼は気のせいだったようにふっとその表情を消し去った。