つまり、会いたいんです。
「そうかなって思ってた。すごく食べたかったもの。あ、でね、デザートも作ったんだよ、ゼリーとか、パンケーキとか」

「ふうん、じゃあ、そのうち作ってもらおうかな」
榛瑠はフライパンを握りながら気のない返答をする。

「もうちょっと練習したらね。…何のソース?」
「ブルーベリー」
「美味しそうだね。あ、それでね」
「今度は何?」
榛瑠がちょっと面倒くさそうに言う。

「プリンは作ってないの」
「へえ?」

「だって、絶対美味しくできないもん。どんなに上手に作ったって、榛瑠が作ったものより食べたいものなんて出来ないから。だから、今日すごく食べたかったの。嬉しい」

一花はニコニコしたまま榛瑠を見上げた。

榛瑠はコンロの火を止めると、上を向いて軽く目をつぶった。

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