新たな恋の始まり


「店閉めるんだけど
いつまで居座る気?」


課長は飲みすぎて
すでに意識が遠のいて眠りに入った。


「この状況でどうしたらいいか?」


困ったやつだとフルーツ盛りのお皿と
コップなどを持っていたお盆に乗せて
片付け始めた。


「代行呼ぶけど君はどうする?
その代行で回ってもらう?」


「いえ!あたしは自分で
帰りますので大丈夫です
じゃあ課長のことお願いしますね」


帰ろうとすると
課長がパッと目を開け
「置いて帰る気か?
帰んなよ!」と私の腕を掴んだ。


「課長!飲み過ぎですよ!」


「いや!あいつが飲ませすぎだろ」


「人のせいにしないで下さい
自分のことは自分で守らなきゃ
セーブしないとダメですよ」


「説教されるなんて
いや!オレに説教する女
お前だけだわ」


「あ•••何だかすみません」


「いやいや良いんだけどね」


と言いながら「少しだけ寝る」と
また目を閉じた。


「寝るなら帰りますよ!
帰りますからね!」


「昨夜も接待で帰るに帰れず
気づけば2時
寝不足なんだよ
10分ほど寝させてくれ
帰んなよ!」
とお店のソファーに倒れ込んだ。


そうか第3会議室でも寝てた
本当に睡眠不足なのかもしれない
寝させてあげよう。


お店の片付けが終わり
他の店員さんが帰宅した後
康介さんが私たちのところへ来た。


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