新たな恋の始まり


「マジで寝てんの?」


「少し寝たら起きるって言ってました」


「どーにもならないね
酔っ払いは」


「そうですね」と笑う。


「ねっ!聞いてみるんだけど
実際のところ
こいつとの関係は?」


「ただの課長と部下です」


「マジで?」


「はい 実はですね」
と今日のことを話した。


「と言うことであのまま
放ったらかしに出来なかったんだと思うんです
別にあたしは悲しかったわけじゃ
ないんですけどね
ただ悔しかっただけ」


「聞いててもムカつくわー
その2人」


「ですよね 課長が居なかったら
あの場はどうなってたか?
だからあたしにとって課長は
救世主なんです」


「でもこの状況になると
救世主もないよな
クソ迷惑だろ?」


「そんなことないですよ
人気者の課長と一緒に食事するとか
他の女の人に刺されちゃうかもしれません
なんてね!それは冗談ですけど」


「人気者?」


「お金持ちでこれだけのイケメン
我が社のナンバーワンじゃないんですかね」


「君は?興味ないの?」


「さっき終わったばかりなんで
その辺はまだ」


「あーそう言ってたね
そいつら見返してやれ!」


「ほんとですね!
見返させればいいんですけど」


「良い男捕まえて
『あんたなんかクソ野郎
別れを言ってくれてありがとう
そのお陰でこんな良い人と
出逢えた』って言ってやれば」


「あはは」
笑うしかない。


「そんな良い人居ないですよ〜
そんな良い人が
あたしの相手すると思います?
何か落ち込みそう」


何かいい方法は無いか?と考えた。


「あっ!次の出会い求めて
イメチェンでもしようかな
それで容姿バカにした2人に
よくも言ったな!なんて」


「うんうん!見返してやれ!
でもまぁイメチェンしなくても
十分可愛いと思うけど?」


「ありがとうございます
冗談でも嬉しいです
イメチェンと言えば
髪型ですよね
どこか良い美容院知りません?」


この長い髪を切って
気分もすっきり変えたいと思った。





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