新たな恋の始まり
色々あった私の22回目の誕生日
いつもより1日が長く感じられた。
結局寝てる課長を見捨てる事が出来ず
起きるのを待った。
目覚めて「あれ?美波居たんだ?」
いつの間にか美波と呼び捨てだし
居たんだ?と言う言葉にはガクッと来たが
そのお陰で店長さんの俊介さんと話して
美容院の予約まで出来たから
気分がいい。
「課長にはあの人たちから
助けてもらったし
今はあたし気分がいいので
怒りませんけど
普通だったら激怒しますよ」
「え?何か失礼なこと言った?」
「「帰んなよ!」って
寝ちゃたくせに」
「マジでぇー?ごめんごめん」
本当に覚えてないようだ
だから酔っ払いは•••。
「気分良いのでいいですけど」を
気分が良いことを連呼する。
「オレが寝てる間に良いことがあった?」
「ありました!ありました!
もーーー俊介さんのおかげですっ」
「俊介?はい???
名前呼ぶほど仲良くなった感じ?」
「俊介さんは神です!」
「まだわかんないだろ
美波ちゃんが出来上がりを気に入って
納得して良かったぁーってなったら
それなら神と言われても
まーまーと思うけど」
「美波ちゃん?
お前ら何?」
「俊介さんと美波ちゃんの仲だよなぁ
なっ!美波ちゃん」
俊介さんは笑いながら私をみた。
「はい!!!」
私も元気よく返す。
それに不服なようで
「なんなんお前ら」
とミネラルウォーターをゴクっと飲んだ。
「教えて欲しいか?ハハハ」
課長は『別に』と言いながらも
最後には『教えろ』と降参したから
俊介さんは大笑い。
「イメチェンかぁ
別にイメチェンしなくても•••」
何かまだ続きを言いそうなところに
俊介さんが「オレもね
そのままで良いよって言ったんだよ」
と口を挟んだ。
「あたしは変わりたいんです!
絶対見返してやるんです!
だってインスタで有名なあの人ですよ
予約が数ヶ月先じゃないと取れないと言う
そんな人と友達という俊介さんは
神です」
「待て待て それって
まさかトシ?」
「え?課長も知ってるんですか?」
「俊介のツレってことで
何回か飲みに行ったことがある
若い子に人気のカリスマ美容師」
「そうです!そうです!
あの人の手は魔法です
それこそ神の手です」
ロングヘアーを思い切って
ショートに変えたいと思っている。
うまくいきますよーに。