新たな恋の始まり
課長の代行に便乗して
アパートへ帰ったのは24時を回っていた
幸いなことに次の日は土曜日で
仕事のお休みの日。
「送っていただいて
ありがとうございました」
「明日は何時予定?」
「お店を閉めるのが19時なので
19時半すぎって言ってました」
「19時半ね
ここへ18時半でいい?
それとも早くから出て飯でも食ってく?」
「いやいや大丈夫です
1人で行けますので」
「俊介も言ってただろ」
帰り際に俊介さんが
「康介明日暇なら連れて行ってあげて」
と言っていた。
その場でも断ったんだけど
「予約外に女性が1人で行くと
周りに変な事を思われるかも知らないから
康介着いて行ってあげてくれないか?」
と課長に頼んでいた。
「そうでした
トシさんに迷惑かけちゃいけないので
よろしくお願いします
課長の都合に合わせますので
逆に何時がいいですか?」
「それなら17時で」
「え?早くないですか?」
「こっちに合わせるって
今言ったのは誰?」
「そうでした」
軽くご飯食べて行かないと
カットしてもらってる時に
お腹が鳴ったら恥ずかしいだろと
課長はそこまで考えてくれていた。
いや•••別に
自分が夕飯済ませてから
課長の迎えで行けば済む話なのにと
思ったけれど課長の答えがわかってるので
そこはやめておいた。
「自分だけ食べる気か?」なんてね。
「明日ここへ迎えにくるわ」
「お願いします」
「酔ってるからここの場所忘れるかもハハハ」
「えっ!!!
ってか もう酔いは覚めてません?」
「ふふっ
わかんなかったら電話するわ」
と言って代行に「家に向かって」と
指示したので車が動き始めた。