新たな恋の始まり
ほぼ完成!と言う頃課長が
帰ってきた。
「遅かったね」とトシさん。
「ついでに
スーツのオーダー頼んだりしてたからね
ワイシャツとか購入してきたし」
と紙袋をソファーに置いた音がした。
「おーーー!
めっちゃイメチェンじゃん」
「だろだろ
素がいいから何しても似合うね」
2人がそう話してても
鏡は布で覆われてて
どんなに変わったか?
後の楽しみ!と言うことで
全く見ることができなかったから
私はわからない。
それはそれで良かったかも
切ってるトシさんを鏡越しに
どう言うふうに見てたら良いのか
目のやり場に困ってたかもしれない。
「じゃあ!布取るよ
心の準備オッケー?」
「はい!」
「ジャシャーン」と布を取られ鏡に映った私。
「えっ!!!!!!」
黒髪だった私の髪は
ほんのりキャラメルブラウンに
そして肩スレスレのミディアムボブ
外ハネですごく可愛い。
「可愛い可愛いもーーー可愛い」
「トシさん神の手って本当ですね!
すごいです!すごいと言う言葉しかでません
めっちゃ軽くなりました」
頭を振ってみる。
「洗うのも楽になるし
第一乾かすのが楽だと思うよ」
「ありがとうございます」
「康介どう思う?」
「変わったな」
素っ気ない返事
別にオレに聞くなよ的な感じ。
だけ???
めっちゃイメチェンじゃん!とは
言ってくれたけど
良いねとか嘘でも言ってくれない。
「もっと言い方あるんじゃない?」
「あっ!良いんです良いんです!
あたしが満足してるんで
これから俊介さんのお店に行って
御礼がてら見せてきます!」
「は?俊介のところ行くの?」
「もちろんです!」
「はあ???」
は?ばかりの課長。
会計を済ませようと思うと
「今日はいらない
君の未来への出発への
お祝儀だよ
次からはちゃんと貰うよ」
と言われた。
ただと言うわけにはいかないと
私がしつこいから
「じゃあ晩飯代くれる?
1000円」と低額を言うので
「黙って受け取ってください
少ないですけど
これ以上出すと返されそうなので」
と5,000円をトシさんの胸ポケットに
差し入れた。
「もーーー
返すのもあれだからもらっとくね
またいつでも言って!
遅い時間でいいなら
融通はきかせるから」
「はい!ありがとうございます
では!行ってきます」