新たな恋の始まり


「課長もお付き合いありがとうございました
俊介さんのお店に寄ってから帰りますね」


「お前なぁ
全く!常識ないなぁ
オムライス奢ったからって
良い気になったんじゃねーよ」


「そんなことないです
課長にも感謝してます
だからこそ早く帰って
休んでもらいたいと思って
あっ!もうこんな時間」


携帯の時間を見てびっくりした
22時を回っている。


それもそうだよね
カラーにカットだから
時間はかかるよね。


「だろ?俊介の店は
もう閉まってるよ」


「ですよね」


「それなら今度は
お前がオレに付き合え」


やっぱりきたか
さっきトシさんに言われた
【コマ使い】
大切な休日を潰させたので
断るのは失礼だ。


「わかりました
とことん付き合いますっ!」


「なんだその言い方
開き直った感じがムカつくけどまぁいいか」


「一度行ってみたい店があるんだ
最近オープンしたんだけどさ
まだ行ってなくて」
と最近オープンしたと言うカフェバーに
向こうと言った。


近いから歩きでと2人肩を並べて歩いて
カフェバーに着いた。


「オシャレ!」この言葉しか
出てこないほどの雰囲気のいいお店
女性スタッフがたくさんいるバーとは
違って一人で静かにお酒を楽しめたり
女性たちだけでも軽食を取りながら
お酒が飲めたり必要なら女性スタッフを
呼んでワイワイと楽しんだり
それぞれのスタイルで楽しめるように
なっている。


もちろん私たちが頼んだのは
ノンアルのカクテル。


乾杯の後
ふと課長が私に紙袋を差し出した。


「何ですか?」


「やるよ」


これはワイシャツだよね?
スーツオーダーしてきて
買ってきたって言ってた。


「え?いただいても•••
着用することないと思いますし•••
あっ!ショートになったから
男装でもしろと?」


すると課長は大笑い。


「お前は面白いやつだから
そう言うところ好きだわ」


「す•好き?」


「あっ深い意味じゃなくて•••」


「ですよね!あーびっくりしたハハハ
でもこれワイシャツですよね?
ワイシャツ買ってきたって
言ってたじゃないですか」


「見てみろ」と言われて
紙袋の中を見た。


え•••


さっきのお店のショーウィンドウの服だった。


「どうして?」


「欲しがってたから
今日の記念にプレゼント
それと昨日の誕生日祝い」


「マジですかぁ、嬉しいです!
遠慮なく頂きます!嬉しい」


嬉しい嬉しいと連発していると
「安い女だな」と笑っていた。


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